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消費者金融と銀行の融資における立ち位置とターゲット層

かつては銀行において個人が借り入れを行うことは、比較的ハードルの高いものであるとされてきました。銀行は企業などが運用資金のために、大口で融資を受けるための窓口であるという印象が強く、このイメージは中高年層ではいまだに拭いきれないといってもいいでしょう。

しかし、消費者金融や信販系業者が得意としてきた、個人向けの小口融資という分野は、 ここ10年ほどで大きく様変わりしました。わが国の経済状況や金融業界の力関係など、さまざまなベクトルの力が絡み合った結果、このような大きな流れとなったわけですが、そのひとつの要因として挙げられるのは、銀行の収益悪化だといえるわけです。

参考リンク
NHK クローズアップ現代 2003年7月23日(水)放送
「銀行参入 広がる消費者金融」

上記は2003年にNHKで放送された番組のアーカイブです。
第二次金融ビッグバンなどとも呼ばれる、さまざまな規制緩和が実施された直後であり、
銀行業界にも大きな影響を与えました。上場企業の倒産も多く、りそな銀行には公的資金が注入されるなど銀行にとって厳しい時期であったこの時期。

対して好調だったのが消費者金融でした。景気が悪化すればするほど個人の融資は活発化します。大幅に収益を挙げることのできた大手業者では、経団連に加盟する業者も出てきます。収益アップ、新たな顧客層を求めて、消費者金融業務への参入を模索する銀行が増えました。もちろん迅速な審査や確実さを求められる回収業務においては、ノウハウを持っていません。

金融ビッグバンによって垣根がなくなった

金融ビッグバンによるさまざまな規制緩和は、銀行業界にとって大きな痛手のきっかけであったと同時に、それまで金融業界にあった垣根を取り壊す作用もありました。
また、日本において銀行よりも消費者金融が大きな存在となってしまっては、日本国内だけでなく国際的な意味での銀行家にとっても都合の良いこととはいえません。

貸金業法の改正は、それだけが目的とはいえませんが、少なくとも金融業界のバランスをとることが目的のひとつであったといえます。上限金利引き下げ、総量規制など、消費者金融業界は一気にその力を殺がれることとなり、資本力を持った銀行と業務提携をするなど、生き残るための手段を講じざるをえなくなったわけです。

棲み分けの必要性はなくなったが

こういった流れから、銀行が個人向けの小口融資にも積極的となってはきました。
以前のような小口とか大口とかといった棲み分けの必要がなくなったともいえますが、その中でもターゲット層の違いは依然として残っているというのが本当のところ。

個人に対しての無担保の小口融資という枠の中においても、
審査基準が比較的低く、以前ほどではないにしてもある程度の金利で融資を行っているのが消費者金融。対して比べるなら審査基準が高く、より低金利で融資を行っているのが銀行であるといっていいわけです。

ちょっと長くなってしまいましたが、各融資元においてのターゲット層の違いには、このような経緯があるのです。